正直になれない大学生ブログ

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結婚もせず、女を孕ませた上原という作家

斜陽 (青空文庫) 太宰 治 (著)

 
 太宰の孕ませた、結婚もしていない女の日記を元に作られた小説だそうだ。
 主人公かず子はお嬢様でありながら日本の敗戦を期に廃れていってしまう様を描いたもので、初めて読んでたときは、たしかにお金持ちは鼻につくが、廃れていく様が悲しい。かず子が芯の強い女性のため、そこまでのおちぶれを感じられないかもしれない。 なぜか、太宰の愛人の日記をもとに作ったものだからだ。
 
 最後の最後に、かず子が革命を掲げるが、それは太宰が免罪符としているものな気がする。
 かず子は、母の死をきっかけに「愛と革命」に生きることを決め、一人でも子を育ていくシングルマザーになることを決意する。
 よく、太宰の革命に対する思想を投影した、という考察があるらしいが、太宰が孕ませてしまった「不道徳」をなにか前向きに捉えさせようと書いているようにしか思えない。
 
こいしいひとの子を産み、育てる事が、私の道徳革命の完成なのでございます
 
 と、かず子は言う。というよりは言わされる。
 しかし、これは孕ませておいて、責任もとらずに、古い道徳に反するけど、俺たち結局、世間に革命を起こすためだよね、っていう押し付け、言い訳にしか聞こえない。 
 
 話は変わるが、以前、純文学は伝えたい主張のために、どれだけドレスアップできるかが求められた、という言葉を聞いて、少し純文学を読むことが楽しくなった。
 
 いろいろ言ってしまったが、話はとても内容が濃くて、楽しめた。
 
印象に残った言葉
「革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと噓ついて教えていたのに違いないと思うようになったのだ。」
 
斜陽

斜陽

 
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