正直になれない大学生ブログ

普通のことを普通につらつら書いていく。そんなブログ。

ローカルで広がる世界、ローカルメディアの魅力

 ローカルペーパーの魅力ってすごい。

 コアな情報が多く紹介され、その情報を、それぞれの地域にあった方法でメディアに載せて発信している。

 コンセプトが読み手に伝わりやすく、地域の見え方が変わる1冊が本書で紹介するローカルペーパーである。

 

制作するのは地元民だけではなく、よそ者だけでもない

  兵庫県富岡市では、「本と温泉」と呼ばれるプロジェクトで、地域限定発売、お取り寄せ不可の本が城崎温泉で売られている。本文は防水加工され、カバーはタオル生地の奇抜な本だ。

 なぜこの本を限定発売にしたのか。ブックディレクターの幅さんはこう述べる。

 

 この町だけで売ったらどうかと話しました。今の時代、ネットであらゆる情報やモノが手に入る。でも、僕はだからこそ逆に、体を動かすことによって得られるものをつくりたいとずっと考えていた。地域限定発売という戦略は、むしろ遠い温泉地に行きたくなるというモチベーションを生み出す意図が込められています。僕らはその頃『地産地読』と言っていましたね。

 

 このように、現地に行って体験することが人気になる秘密なのかもしれない。

 また、単年度の成果を気にする行政、経済効果を重視してしまう町、自分のアイデアを1番に実現させたい外部のクリエイター、この3者がちょうど良い関係性を維持していることも大きい。

 

メディアは手段である

  私は、紙媒体が好きで、雑誌やフリーペーパーなどを収集する癖がある。

 そして、いつしか、そんな本や雑誌が作れたら楽しいだろうなと思って、出版社などに興味を持ち始めた。

 しかし、雑誌を作りたいと考え過ぎていることに、この本を読んで気づいた。

 いつ間にか、メディアを作ることが、目的になっていたのである。こうなると、もう冊子体のものを作れれば、どこで働いてもよくなってしまう。

 

 各地で生まれつつあるローカルメディアは、内外の人にメッセージを伝える目的ではなく、地域の人と人がつながるための手段になった瞬間に、その本領を発揮していた。いわゆる観光パンフレットや企業広報誌と、本書が言うところのローカルメディアの違いはそこにある。

 

 メディアは手段であり、この本で紹介されるようなローカルペーパーは、例えば、つくり手(1次産業)と消費者の交流をつくる、地元民同士のコミュニーケーションを促したい、などのように、コンセプトやビジョンがはっきりしている。そして、メディアを手段としている。

 このことを忘れてはいけないなと強く感じた。

 

印象に残った言葉

「観光雑誌のようなものをつくっても、それは消費される情報でしかない」

 

ローカルメディアのつくりかた:人と地域をつなぐ編集・デザイン・流通

ローカルメディアのつくりかた:人と地域をつなぐ編集・デザイン・流通

 

 

今週読んだ本
  • 地域の力―食・農・まちづくり (岩波新書) 大江正章 (著) – 2008/2/20
  • ローカルメディアのつくりかた:人と地域をつなぐ編集・デザイン・流通 (学芸出版社) 影山裕樹 – 2016/5/25