正直になれない大学生ブログ

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「意識高い系」を目指すなら

「意識高い系」の研究 (文春新書) 古谷 経衡 (著)

 

 「意識高い系」は意識が高いのではない。あくまで「系」なのだ。そして、本書は「意識高い系」をスクールカーストからの逃避であるという視点が活気的だ。

 

 「意識高い系」になるならまず「第一階級(支配階級)」「第二階級(中途階級)」「第三階級」と大きく分けたスクールカーストの中途階級に属さなければならない。

 そして、そして、「意識高い系」になるためには以下のステップが必要だ!

 

1、支配階級と比べて何もかも勝てないことを意識して劣等感を味わい続けよう。

土地移動が可能な「上洛組」はaコースへ、土地移動が難しい「在地下克上組」はbへ

 

a上洛組

a-1、高校を卒業後大都市へ移動しよう!

a-2、都会的な生活をあいつら支配階級にみせつけてやろう!

→失敗したらbコースへ

 

b在地下克上組

b-1、入った大学域外でなにか活動しよう!

b-2、かつての支配階級と顔を合わせないような分野で支配階級になろう!

 

 そして、そこで「他人の靴をなめてでも」という気概で努力をせず「他者に対し己がいかに素晴らしいのかを喧伝」し、「お手軽承認」を求める者たちが朽ちていくのだ。

 

 著者の「支配階級」言うなれば「リア充」に対する嫌悪は凄まじい。

 在地下克上組である小4偽装サイトの青木大和に対して「『授業中は寝ているけどスポーツで日本代表の子、俳優を志す子、音楽に熱中する子』というふざけたリア充連中を成人してから下克上するための手段」は、「地を這うような努力のみ」だとしながらも「青春時代の屈辱の辛苦のほうには、私は満腔の同情と共感の情を禁じ得ない」と自分の境遇と重ねる。

 地元の「上級の親族から受け継いだ土地に土着したリア充たちは、何が面白いのか一年の半分が雪に閉ざされる北海道でまだ平然として生活し、場合によっては結婚して子供まで作っている」とあからさまな嫌味を放ち、「仕事も遊びも毎日がキラキラしている」彼らは「公に宣伝」しない、つまり「リア充を観測できない」と付け加える。

 

 本書は、「リア充」に対する悔しさ100%で出来上がっている。しかし、この悔しさによって「意識高い系」が生まれ、その中でどういった種類分けができるのかが丁寧に説明されている。場所を変え分野を変えるだけで「一発逆転」は狙えないぞと指摘し、自分らも「お手軽承認には何の意味もない」と呼びかけ続けているのだ。

 

印象に残った言葉

リア充は社会や政治に疑問を持たず、また土地に土着する中で自明の人間関係を重層的に構築する天然強者の存在」

 

「意識高い系」の研究 (文春新書)

「意識高い系」の研究 (文春新書)

 

 

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  • 「意識高い系」の研究 (文春新書) 古谷 経衡 (著) – 2017/2/17